突然ですが、あなたの行おうとしているプレゼンテーションの目的はなんでしょうか?
何をする上でもそうですが、「目的」をはっきりとさせておくことはとても大切です。
プレゼンの目的はあなたの主張を相手に伝えること。それだけで終わってしまっては勿体無い。プレゼンを聞いた人が何かしらの行動をとってもらって初めてプレゼンの目的が達成したと言えるのではないでしょうか。
(プレゼンの目的について理解したい人はこちらの記事「プレゼン|目的は伝えることではなく〇〇してもらうこと」に詳しくまとめました)
何で人が行動するか?それは結局、人は感情で動くのです。
プレゼンで聞き手を感動させ、そして行動してもらう。
その方法について詳しく解説していきます。
感動するプレゼンを行うための3大原則
人が感動するプロセスにはある程度の法則があります。その中でもプレゼンに取り入れることのできる3つの大原則があることについてまずは理解しましょう。
感動するプレゼンを行うためには、3つの大原則を満たす必要があります。
- 「聞き手の心の準備」|事前にプレゼンの目的を伝え聞き手に心の準備をさせる。
- 「ストーリーの伝達」|プレゼンの中にストーリーの要素がありそれを具体的に伝えている。
- 「感情的な伝え方」|プレゼンの内容に嘘がなく、感情を乗せたエモーショナルな伝え方をしている。
この原則を満たして初めてプレゼンで聞き手の感動を強力に引き出すことができるのです。
(この3大原則についてはこちらの記事「プレゼン|感動させて行動してもらうための3原則」で詳しく解説しています)
緊張や不安、恐怖を克服する3つの心構え
プレゼンの3大原則を理解したとしても、心理的なハードルを越えることはなかなかできません。
ここで言う心理的なハードルというのは所謂「緊張」のこと。
人前で話すことに慣れていない方からすると、人前で話すことは非常に怖い行為です。
しかし、このような生理的な反応もコントロールすることはできます。
そのための3つの心構えを紹介します。
- 自分以外の誰かになりきればあなたは決して傷つかない
- ただ1人の味方に集中する
- 聞き手の状態はあなたがコントロールすることができる
全ての心構えに共通するポイントは、いかにして話し手であるあなたが、より話しやすい状況を作るかということです。
緊張や不安は、事前には言おう策を知っているだけでも、小さくすることが可能です。
(緊張への対策についてもっと詳しく知りたい人はこちらの記事「プレゼン|緊張を克服する3つの心構え」で詳しく解説しています)
プレゼンは3つのステップでできている
いよいよプレゼンの構成について解説していきます。
最初に、あらゆるプレゼンは以下の3つのステップから構成されていることを理解してください。
- オープニング
- ボディ
- クロージング
このうちプレゼンテーションの核となるのは2のボディの部分ですが、ボディだけではプレゼンは成立しません。
1のオープニングでの「つかみ」や、3のクロージングでの「実際の行動へのサポート」も非常に大きな役割を担います。
この3ステップが揃ってはじめて聞き手を感動させるプレゼンを実現できるのです。
(このプレゼンを構成する3つのステップそれぞれで使える、シンプルながらたいへんパワフルなテクニックをもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事「プレゼン|基本の3部構成を覚えよう」に詳しくまとめましたのでご覧ください)
7つの応用テクニック
上記で紹介した3つの構成を理解したら、聞き手の心にもっと大きなインパクトを与え、相手を行動せずにはいられなくさせる7つの応用テクニックを紹介します。
単なる小手先のテクニックではなく、プレゼンを構成する要素を構造的に理解し、実践してもらうための重要なコツの紹介です。
以下の7つの応用テクニックについては解説すると長くなるため、それぞれ別記事にて詳しく解説しています。
ぜひそれぞれお読みいただき、実践に活用してみてください。
- プレゼンの冒頭で違和感を演出し、聞き手の興味を引き出す。(プレゼン|始め方が重要!2つのつかみを覚えよう)
- 質問・エピソード・結論で話し始める。(プレゼン|話の始め方・本題への移り方)
- 適切な指示や声かけをすれば、聞き手の感情をコントロールできる。(プレゼン|話し方のコツ 適切な指示や声かけ)
- 結論でボディを始めて聞き手の理解を助け、共感させる。(プレゼン|猿でもわかる話の作り方)
- 5つの人格を演じ分けて、聞き手の興味を惹きつける。(プレゼン|プレゼンターに必要な5つの役割とクレーム回避)
- 聞き手がプレゼンの内容を忘れないように、「トリガーワード」を用意しておく。(プレゼン|最後に忘れず伝えたい一言)
- すぐに聞き手が行動できるように、アクションレベルでの依頼を行う。(プレゼン|聞き手に行動してもらうための秘訣)
7つ全てをフル活用してプレゼンを行うことで、あなたのプレゼンがより情動的な聞き手の感情を揺さぶる物になることは間違いありません。
最初から全てを実践するのが難しくても、今日から取り入れられるものを探して、ひとつずつ実践していきましょう。
わかりやすい話でしか人は感動しない
プレゼンテーションをする上で聞き手から「話がわかりやすい」と評価してもらうことは大切です。
話の意味がスッと理解できなければ、心を揺さぶる以前の問題になってしまします。
ここではプレゼンをわかりやすいものにするための6つのポイントを紹介します。
こちらもそれぞれの項目について詳しく解説した記事がありますので、ぜひ参照してみてください。
- 笑える|(プレゼン|笑いの要素は必要か)
- 簡単|(プレゼン|専門用語でマウントを取ってはいけない理由)
- 理由を話す|(プレゼン|伝わりやすい話し方には理由があった)
- やるべきことが具体的|(プレゼン|聞き手に伝えてほしいたった1つの答え)
- 数字で語る|(プレゼン|資料をわかりやすくするためのコツ)
- 意味がある|(プレゼン|人は興味のある話しか聞かない)
プレゼンを行う前に、この6つが網羅されているかについて事前に確認し、しっかりと準備するようにしてください。
5つのアクションで感情を自由自在に揺さぶる
- あなたはプレゼンのときにどのような表情で話をしていますか?
- 誰に対して視線を送っていますか?
- その時、どのような声で話していますか?
- プレゼン中の自分の動きを客観的にみたことはありますか?
プレゼン中に聞き手が見ているのはあなたの表情であり、あなたの動きです。また、プレゼン中に聞いているのはあなたの声です。
プレゼン中に気にしなければならないことは、これらの伝達手段である視覚的・聴覚的な情報がどのように捉えられているかです。
本題に入る前に知っておいていただきたい重要な事実が2つあります。
人間は思った以上に、他人んいたいする興味を持っていないし、他人を見てもいない
聞き手は、たとえあなたがプレゼン中に何かを言い間違えたとしても、ほとんど気にしていませんし、あなたが緊張していることも多くの人は気づいてすらいません。
あなたが緊張しているのとは裏腹に、聞き手はプレゼンの全てを集中して見ているわけではないし、一言一句じっくり聞いているわけでもないので、少しぐらい間違えても全く問題ありません。
肩の力を抜いて本番に臨むようにしましょう。
プレゼンは、内容よりも話し手の雰囲気によって、その良し悪しが判断される
聞き手は、何でプレゼの良し悪しを判断しているかというと、「話しての漂わせている雰囲気」が好きか嫌いかで判断しています。
聞き手の感情を左右する話しての雰囲気は、ちょっとした動作や表情でコントロールできます。
これらふたつの事実を踏まえてプレゼン本番で上がらずに、かつ情動的なプレゼンを行うために必要なものはなんでしょうか。
それは、壇上でのあなたの具体的な動きをあらかじめ決めてしまうことです。
- プレゼン中の表情
- プレゼン中の視線
- プレゼン中の声色と間の取り方
- プレゼン中の動作
最初から決めておけば、本番で考える必要がありません。万が一、ど忘れしても体が自然に動くように、何度か体の動きも伴いう形でリハーサルをしておくことが理想です。
意識すべき仕草を5つにまとめました。それぞれ詳しく書いた記事もありますので合わせて確認してみてください。
- 聞き手の話し手に対する印象は、120%の笑顔と全力の真顔でコントロールできる。(プレゼン|印象を変える2つの表情)
- 会場を4区画に分割することで、視線を分配し会場全体を味方にする。(プレゼン|意識したい視線の振り方のコツ)
- 手の動きでメッセージを強調したり、その時の感情を表したりできる。(プレゼン|これだけは押さえておきたい身振り手振り)
- 話すスピードと声の大きさでプレゼンに抑揚をつける。(プレゼン|話し方で意識したい2つの要素)
- 「強調の間」と「思考の間」をきっちりととる。(プレゼン|2つの「間」の取り方)
これら5つのボディーランゲージをうまく使えているか、自分で判断するための方法として、プレゼンを録画して、音量をゼロにした状態で見てみてください。
無音の動画から、話しての感情や思いが伝わって来れば合格です。
ぜひ実践してみてください。
プレゼン本番、直前準備のポイント
ここまで読んでもらったあなたも、いう良いよプレゼンの本番が間近に迫ってきました。
事前準備は時間をかければかけるほどしっかりと準備ができるので、理想はプレゼン本番が控えている1ヶ月以上前から始めるのが理想です。
しかし、急遽明日、大事な会議でプレゼンをしなくてはいけなくなった、なんてことがいきなり決まることもあると思います。その場合でも、事前準備すべきことは基本的には同じなので、手を抜くことなく全力で取り組みましょう。
プレゼンは事前準備で9割が決まります。
以下の4つのポイントを確認し準備を進めましょう。それぞれのポイントについて詳しく解説した記事もありますので、併せて確認してみてください。
- 感情のエネルギーは、その場で最も高い人から、低い人へと流れるため、話し手が最も熱い情熱や想いを持たなくてはならない。(プレゼン|本番に向けての心構えで大切なこと)
- 話し言葉でプレゼン全体の原稿を作成し、過不足を確認する。(プレゼン|原稿の準備で必要な2つの要素)
- レンタルスタジオやカラオケボックスなどを使って、通しのリハーサルと動画撮影を行い、何度も確認して完成度を上げる。(プレゼン|お勧めの練習方法 7つのポイント)
- 直前の緊張は、これまでの練習を思い出して適正な範囲に収める。(プレゼン|本番で緊張しないための対策と方法)
おわりに
以上でプレゼン直前の準備も完璧です。
私からあなたへ伝えられることは全て伝えました。
ここから先はあなた1人で、自信を持って話し手を感動させ、行動してもらえるプレゼンを実施するだけです。
不安になったら何度でもこのページを見返し、必要な詳細記事を見返してみてください。
セリフ、動き、表情、立ち位置、全て計算し尽くしているあなたは、会場に立ったとしても心に余裕があります。
「しっかり準備しておいてよかった」
心の中でそう思うことでしょう。
自信を持って、ここからどんな感動的なプレゼンが生まれるのか。
全てのビジネスパーソンのプレゼンスキルが向上し、日本が元気になることを願っています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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