プレゼンテーションにおいて「聞き手の興味をひきつづける」ことは必要不可欠です。
聞き手が最初は話を聞いていたけど、途中で飽きてしまってはプレゼンの目的である「聞き手に行動を起こしてもらう」ことは実現できません。
そのために話し手に求められる5つの役割をこの記事では紹介します。
話し手の役割と物語の語り方、聞き手を飽きさせないコツなど具体的な部分も含めて解説します。
プレゼンターは5つの人格を持とう
まず初めに話しては素のままの自分で話してはいけません。自分とは別人格の誰かを演じながら話す方が聞き手をより具体的な行動へと促しやすいです。
想像してみていただきたいのですが、例えばお客様からクレームが入ったとします。
その時に素の自分のまま「すみません」と伝えるよりも、素の自分は殺して、必死さをアピールしながら、お客様に過剰なまでの敬意を払い、深刻な表情と声で「この度は大変申し訳ございませんでした。なんとお詫びを申し上げて良いのか・・・・。本当に申し訳ございません。」と大袈裟に伝える方が謝罪の気持ちをより確実に伝えることができるのではないでしょうか。
これはあくまでも一つの考え方ですが、話しては5つの役割を演じ分けることで聞き手の興味を自信に引きつけ続け、プレゼンを効果的にサポートすることができます。
教育者・先生
話しては聞き手に対して「教育者」や「先生」である必要があります。
聞き手の知らない知識を教える。考え方を共有するなど、相手が持っていないものを与える立場である以上その知識の領域においては相手にとっての「先生」でなくてはなりません。
相手からの質問に「すみません、わかりません」という答えでは信頼を得ることはできません。
嘘はいけませんが、先生が断言するからこそ生徒は先生の話を聞き、先生の指示に従うことができるのです。
医者
話しては聞き手にとっての「医者」である必要もあります。
聞き手はなんらかの課題や不満を抱えているのです。それを解決するのがあなたの役割です。
自信を持って「大丈夫です、あなたの不満を解消して差し上げます」とカリスマ医師を演じてください。
易者(占い師)
話しては時に聞き手にとっての「易者(占い師)」である必要もあります。
相手の未来を予言し、事前に危険を回避させ、より良い未来へと導きます。
聞き手が落とし穴にはまることが次全員わかっているのであれば、それを的確に指摘してあげましょう。
演出家
話してはプレゼン全体の「演出家」としてより効果的なプレゼンを行える構成を作る必要があります。
どうすれば聞き手が最後まで飽きることなくプレゼンを楽しめるか。どうすれば聞き手がすぐに行動しようと考えるか。これらの結果はあなたの演出力にかかっています。
どんなにすごい知識を持っていたとしても、それをうまく演出し聞き手にとって意味のあるものとして認識してもらわなければ意味がありません。
役者
話してはプレゼンを聞き手に届けるために、聞き手が興味を持てるように、信頼を感じるように、感動を受け取れるように、あなたは「役者」として最高のプレゼンテーターを演じる必要があります。
すべては、聞き手が行動を起こすことでより良い未来を創るためです。あなたが「役者」として上手に演じることができるかどうかで、プレゼンお成否も大きく左右されるのです。
プレゼンでは「物語」を語ろう
最近ではストーリーテリングとも呼ばれますが、プレゼンにストーリー(物語)があるかどうかは聞き手に感動を与えられるかどうかに大きく関わります。
物語は、以前他の記事でも紹介したPREP法におけるExample(具体例)にあたります。
(PREP法についてはこちらの記事で詳しく説明しています)
ただ物語を語ればいいというものではなく、「その物語はどのような具体例として『主張』を支えるのか」という視点をもって適切な物語を選ぶ必要があります。
効果的な物語の構造について説明します。
と言っても特別難しいことではなく、あなたの身の回りで起こった出来事を題材としてストーリーを仕立てるのです。
物語を構成する要素は大きく分けて5つです。
- 状況
- 困難
- 挑戦
- 失敗・挫折
- 克服
これらの5つの要素を含んだ物語を語ることによって、効果的に聞き手の感情を揺さぶりプレゼンに引き込むことが可能になります。
状況
話の前提として物語の状況を聞き手と共有するフェーズです。
誰にでも当てはまる抽象的な話よりも具体的な話をする方が感情に訴えかけやすいため、状況の詳細を丁寧に語ります。
困難
困難を乗り越えるからこそ感動が生まれます。
朝鮮への前振りとして物語には困難を説明するフェーズが必要です。
挑戦
危険を顧みず自らが行動する「挑戦」のフェーズは聞き手をストーリーに引き込み話を進める重要な役割を果たします。
物語の主人公に必須の条件がこの「挑戦する姿」であることは言うまでもありません。
失敗・挫折
この失敗や挫折が大きければ大きいほど後にそれを克服した時の感動が大きくなります。
克服
「困難」を乗り越えて「挑戦」し、その後に訪れる「失敗・挫折」をものともせずに立ち向かっていった、その最後を飾るフェーズが「克服」です。
原則的にはプレゼンで使用する物語はハッピーエンドとするのがおすすめです。
物語を語る際にやってはいけないこと
物語を語る際に必要なのは「その物語にあなた自身が入り込み、感動できること」です。
一方でやってはいけないことは「困難は全て自分の力だけで乗り越えました。だから私はすごいのです。」という自分自身の成功ストーリー\、いわゆる「武勇伝」を語ることです。
これではプレゼンではなく話し手の自慢話にしか聞こえなくなってします。
どうしても自分自身の成功について語る必要があるときも、後押ししてくれた周りの方々に対する感謝を合わせて伝えるべきです。
自分の情けない部分も全部曝け出して初めて人の心が動き共感が生まれるのです。
また、繰り返しにはなりますが、自分の主張と全く関係のない物語を語ると、なぜその話をしたのか聞き手が理解できず、むしろ聞き手をしらけさせて興味を失わせてしまいます。
聞き手を動かせば眠らない
さらに聞き手の興味関心を惹きつけ話さないようにするためのテクニックとして「聞き手のアクションコントロール」という手法を紹介します。
これは聞き手に「話を聞く」以外の行動をあえてとらせることで、プレゼンの途中で聞き手が飽きてしまったり、眠くなったりするのを防ぐ手法です。
聞き手に対して「動く・考える・話す」以外の行動をするタイミングを意識して作ってあげるのです。
- 動く|「このような経験をお持ちの方は挙手してください」
- 考える|「いかがでしょうか?3分時間を差し上げますのでこの質問に対するご自身の考えをまとめてみてください」
- 話す|「お隣の方に自己紹介を兼ねてみなさんの考えを共有してみてください」
これらのように話し手が聞き手に対し具体的な指示を出してアクションを取らせることで、聞き手は適度に気分転換ができるためその後も集中力を維持しやすくなるのです。
どんな楽しい話であっても一方的な押し付けであってはいけません。
話し手と聞き手との双方に対してのコミュニケーションの実現が感動させるプレゼンにおいて大切です。
振休この法則で感情を揺さぶる
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これらの対局にある感情や立場を疑似体験させ感情の幅を広げてからプレゼンの本題に入るという方法です。
対局の感情とや立場の距離が遠ければ遠いほど「振れ幅」が大きくなり、振れ幅が大きければ大きいほど聞き手の興味が大きくなります。
これを「振り子の法則」と言います。
同じ話をするのでも聞き手の興味を惹きつけてから伝えるのとそのまま伝えるのとでは、天と地ほどの差が生まれます。
あなたのプレゼンではどのような形で振り子の法則ができるか考えてみましょう。
クレームを事前に防ぐ
プレゼンにおいて最も大切なことは「話し手が伝えたい情報を伝えるのではなく、聞き手が知りたい情報を伝えることが重要である」ということです。
そのためにも質疑応答の時間を設けることは重要です。
質疑応答の場で、聞き手が知りたかったけれど聞けていない内容について細く説明を行えるようにするのです。
プレゼンで質疑応答の時間を取るためにはプレゼン本っペンで持ち時間の全てを使ってしまってはいけません。
おすすめの時間配分は、持ち時間の1/2の時間で本編を終わらせ、1/4の時間で質疑応答を行い、1/4の時間を残して終了します。
プレゼンはどれだけ早く終わっても苦情は出ませんが、少しでも長引くと一気にクレームが増えるものです。
また、最後に時間を残しておくことで徴収の前では質問しづらかったことなど、直接話し手に聞きにこれるようにするのも一つの手です。
もう一つ大切なことは想定される質問に対する回答を事前いしっかりと用意しておくことです。
事前に質問を想定しておくことで、聞き手の知りたい情報を先回りして伝えられます。結果として、それがプレゼン全体の精度を高めることにもつながるのです。
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