あらゆる種類のプレゼンはこの3ステップから構成されています。
- オープニング
- ボディ
- クロージング
このうちプレゼンテーションの核となるのは2のボディの部分ですが、ボディだけではプレゼンは成立しません。
1のオープニングでの「つかみ」や、3のクロージングでの「実際の行動へのサポート」も非常に大きな役割を担います。
この3ステップが揃ってはじめて聞き手を感動させるプレゼンを実現できるのです。
まずはオープニング
ここでの最重要ポイントは、いかに聞き手に、話し手に対する興味を持たせるかです。
「話の内容」ではなく「話し手そのもの」に対する興味が先です。
話して自身に興味を持てば、聞き手の興味は話の内容にも移りやすくなります。
どんなに素晴らしい話であっても、相手がきちんと聞いてくれて初めて「いい話」になります。
当然のことながらプレゼンは相手に話をしっかり聞いてもらう必要があるのですが、聞き手を集中させ、耳を傾けてもらうのはそう簡単にできることではありません。
そこで有効になる手段が「ギャップによる強調」です。
視覚的または聴覚的な「差」を意識的に作って、印象を際立たせることで聞き手の注意を引く基本テクニックです。
視覚的ギャップによる協調
お笑い芸人がフォーマルなスーツを着ているのも「視覚的ギャップによる協調」の典型例です。
自分が今からしようと思っていることとは逆の方向に意図して視覚的な差を作ることで、聞き手の中に不協和音を発生させます。
すると聞き手は無意識に違和感を持ち、あなたという人物に強い興味を抱くようになります。すると聞き手の興味はあなたの話す内容へと移りやすくなります。
聴覚的ギャップによる協調
同じく聴覚を通じてギャップを作り出す「聴覚的ギャップによる強調」も可能です。プレゼンでは通常声の出し方に工夫することで差を作ります。
満面の笑みが成功のカギ
プレゼンのオープニングにおける最も効果的なギャップの作り方はどんなものでしょうか?
簡単で汎用性の高い視覚的なギャップの作り方は「全力の笑顔」
大抵のプレゼンは真面目なテーマに関して行われます。そこに満面の笑みでニコニコした人が話し始めたらどのように感じるでしょうか?
「あれ?これから真面目な話をするのではないのかな?」と心の中で不況わをんが発生し違和感を感じます。人間の本能はその違和感の原因を探ろうとし、聞き手に対して興味のアンテナを立てることになります。
服装や表情、仕草などを観察し「この人はどんな人なんだろう?」次に「何を話すのかな?」と話の内容に関心を向けるようになります。
聴覚的なギャップについては「大きな声で話し始める」のが効果的
多くのプレゼンでは話し手が聞き手の反応を見ながらゆっくり話し始めるものです。
そこであえてその期待を裏切り、通常の会話よりかなり大きな声で楽しそうに話し始めます。
大きな声は本能的に危機感を感じさせる効果もあり、聞き手は話し手が安全な人かどうか、どんな人なのか確認しようとし、そこから話の内容へと興味の対象を移していきます。
満面の笑みと大きな声で話し始めるプレゼンこそが最強のギャップによる協調だと覚えておきましょう。
ストーリーを語りメッセージを伝えるボディ
プレゼンの核となるボディ。ここではシンプルにストーリーを語ることがキモとなります。
あらかじめシンプルにまとめたメッセージをストーリーの形で聞き手に伝えられるようになりましょう。
話す内容をシンプルにまとめる
大切なのはシンプルであること。
- 結局何が言いたいのかわからない
- 私は何をすればいいのかわからない
話の途中でこのように思ってしまうプレゼンはわかりにくいプレゼンであり、他人の時間を奪うのは相手に迷惑をかける行為であるということを肝に銘じておきましょう。
長く話せば話すほどプレゼンの本質からは遠ざかります。そうなってしまわないためにもあらかじめ話す内容を明確にしておき、プレゼンではシンプルにその内容を伝えることを意識します。
そうすることで途中で何の話なのかわからなくなってしまうリスクも避けることができます。
そのために下記のフォーマットを意識してプレゼンの構成を考えます。
- 「具体的な聞き手」に
- 「理想とする姿・状態」になってほしいので
- 「メッセージ」を伝えます。
- それはこのような「理由」があります。
- 具体的には「このような方法」をすることでその理想の姿を実現できます。
このフォーマットでは端的にまとめることができない場合は、一度のプレゼンで話すには内容が多すぎる可能性が高いです。
あらかじめこのフォーマットを使いプレゼンの内容をシンプルな形に整理しておきましょう。
本番ではまとめた内容をまず聞き手に伝えることを意識します。
ストーリーを語ることによるメリット2つ
シンプルにストーリーを語るのはボディの基本テクニックです。
もう一方のストーリーを語る部分について解説していきます。
ここでいうストーリーは「物語」と言い換えることもでします。
ストーリーで内容を伝えることによるメリットは2つあります。
- 記憶が容易になること
- 純粋に人は物語が好きであるということ
物語だと話に一連のつながりがあるため、さまざまな事柄をひとまとまりのセットとして記憶できるのです。
また、最近あった面白い話、過去にあった辛い話、不思議な話など、誰かと話しているときにも、そこに物語の要素があると深く話に引き込まれる習性があります。そのためストーリー性のある形で話をされると、聞き手は自然に話の内容に興味を持ち、耳を傾けてしまうのです。
プレゼンのボディではシンプルな形でストーリーを語ることで①聞き手に興味を待たせ、②話の内容を記憶に留めやすくできるのです。
プレゼンの目的である行動に移すためのクロージング
オープニングで作った違和感で聞き手の興味を引きだし、ボディーでメッセージを明確に伝えました。この時点で聞き手は既に十分にプレゼンの内容を理解している状態です。
ここまでくれば放っておいても興味を持った聞き手は勝手に行動に移ってくれます。
しかし聞き手の全員が動くわけではありません。
プレゼンの最終目的は「聞き手に行動してもらうこと」です。
(プレゼンの目的についてはこちらの記事を参照してください。)
できる限り実際の行動に移してくれる聞き手の割合を増やしたいものです。
そのためには、プレゼンの最終段階のクロージングのステップで「主張の整理と行動の依頼を行う」ことが効果的です。
聞き手が「いい話だった」と感じることと、実際に「行動に移せるかどうか」は別の話です。
そのためにクロージングのステップで「具体的な行動を伝える」という一手間をかけることはとても大切です。
そのためには【主張の整理】+【行動の依頼】を意識して伝えます。
「主張の整理」の部分で聞き手にプレゼンの内容をもう一度振り返らせ、次の「行動の依頼」の部分で、具体的に何をすればいいのかの指示を出します。
主張の整理で記憶の定着を図る
- 結局今回のプレゼンで自分はどのような主張をしたのか
- なぜ自分はそれを主張したのか
- 主張の根拠は何か
こういった要素を整理してシンプルに伝えます。
あくまでも聞き手に行動を促し、現在の状況を改善させるためにはどのようなアプローチが適切なのか、という視点から主張の整理をしていきます。
行動の依頼までしてしまおう
プレゼンの最後の最後には、聞き手が結局何をどうすれば良いのか、具体的な行動を例として挙げ、実際にそうするようにお願いすることも忘れてはいけません。
伝え方もできるだけ短い表現で印象的に伝えましょう。「あれもこれも全部やりましょう」では聞き手は結局何をやればいいのかわかりません。
依頼するのは「楽に実現可能」で、かつ「測定可能」な行動です。
まとめ
- 満面の笑みと大きな声で、プレゼン会直後にギャップの演出をし、聞き手をギャップに引き込む。
- シンプルにストーリーを語る。物語は話の内容にパワーを持たせ聞き手を引き込んでくれる。
- プレゼン終了直後に「主張の整理」をし、さらに「行動の依頼」までプレゼン内でしてしまい聞き手に行動に移ってもらう。
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