プレゼンテーションを行う上で聞き手に「この話は簡単だ」と思ってもらうことはとても大切です。
聞き手が話の内容に共感するまでの経過は次のように分解できます。
- 話し手に興味を持つ
- ひとまず話を聞いてみる
- 話の内容を理解できる
- プレゼンの内容に興味を持つ
- より深く理解しようと自ら詳細情報をとりにいく
- 話に引き込まれる
- 話し手の想いに共感する
当然ですが聞き手は話の内容を理解できる時にだけプレゼンの内容に興味を持ちます。
逆にいうと話の内容を聞き手に理解してもらえればプレゼンは8割成功したと言っても過言ではありません。
何はともあれまずは結論から
これはすでに一般的になっている考え方ですが、結論から話すことによるメリットは何よりお互いのコミュニケーションコストが軽減されることです。
その結論を前提にして相手が話を聞いてくれるため、そこにたどり着くまで話をスムーズに運ぶことが可能です。
逆のパターンを考えてみてください。
結論を先に伝えることを避けて遠回りに話を進めていく方法では、聞いている方からするとなかなか話の結論が見えず、何をして欲しくて話を聞かされているのか、相手の糸を理解しようと脳に余計な負荷がかかります。
こうした事態に対しては「で、要はなんなの?」の問いに対して一言で答え、最初に伝えてしまうというテクニックを使いましょう。
「何を言っているのかわからない」と言われる3つの原因
プレゼンが苦手な人によくあるのが「何を言いたいのかわからない」と言われるものです。相手に自分の伝えたいことが思うように伝わらない時には、なんとも言えない歯痒さがあるものです。
しかしこの「何を言いたいかわからない」と言われる状態には立ったの3つしか原因はありません。
主張が主張になっていない
一つ目の原因は主張が主張になっていないというものです。
話してがいくら主張したつもりでも、そこに聞き手が求める情報が含まれていないと「主張がない」と受け取られてしまいます。
聞き手がどのような情報を求めてその場にいるのか、事前に把握した上でそれに合わせた主張を行わなければ、聞き手はそれがあなたの「主張」であると正しく認識してくれません。
あくまで聞き手が求めている情報を伝えることが主張であるということを頭に入れておきましょう。
主張は聞き手がどのような情報を求めているかによって上手に使い分けるべきです。
根拠が根拠になっていない
続いての原因は根拠の欠落です。
根拠がなければ聞き手は主張の妥当性を客観的に評価できません。
プレゼンでは常に自らの主張を補強する「根拠」を合わせて主張するべきです。
なお、根拠は1つでも問題ないのですが、3つ酔いすると強い説得力が生まれると言われています。
普段から自分の主張に対して、誰が聞いても「一理ある」と納得するような根拠を考える練習をしておきましょう。
聞き手にどうしてほしいのかわからない
3つ目の原因は「結局どうしてほしいのかわからない」というものです。
プレゼンの目的は「聞き手に行動してもらうこと」です。
たとえ聞き手が「なるほど」と納得したとしてもその後にどんな行動をすればいいのかわからなければ何も行動できません。
共感してもらうことができても、行動してもらえなければダメなのです。
この問題はプレゼンの最後に一言「この後あなたにどうしてほしいのか」という、聞き手への依頼を組み込むことで直接聞き手の行動を促せば良いのです。
プレゼンの終了が急に訪れるのではなく、最後に聞き手に対して行動の依頼を行いつつ、余韻をもたせてクロージングするのがポイントです。
「プレゼンの最後には。聞き手に対して具体的な行動依頼を行う必要がある」ということをしっかり理解しておきましょう。
たったの4ステップで驚くほど簡単に話を作れる
聞き手の理解を妨げる要素を理解した上で、どんな聞き手からも「簡単な話だ」と思ってもらえる「話の組み立てかた」の紹介です。
この段階では文章の構成法として有名な「PREP法」を活用することをお勧めします。
- Point(結論・主張)
- Reason(理由・根拠)
- Example(具体例)
- Point(結論・主張)
以上の4つの要素の頭文字をとった用語です。
これら4つの要素を順に並べることで話を構成します。
この手法を使うメリットの1つが短時間で話の「結論」と「理由」を理解させられることです。
例えばあなたが私に対して「おすすめの週末の過ごし方」のプレゼンを行うとします。
私に週末あなたのおすすめする過ごし方を試させることが目的です。
以下の解答例を参考にぜひ自身でも考えてみてください。
【解答例】
Point|週末のおすすめの過ごし方は家で映画を見ることです。
Reason|お金もかからず、移動する手間もなく、非日常的な体験ができます。
Example|費用はレンタル代の百円。移動時間はなし。映画のテーマにあわせて、あなたはスパイ・警察官・ヒロインなどなど、何にでも変身することができます。
Point|今週末は家で映画を見ましょう!
Point
最も伝えなけらばならないことはPointの「結論・主張」です。
Pointを伝える前にたくさん話せば話すほど、聞き手に「何を言いたいのかわからない」と受け取られるリスクが高まります。
とにかく先に「結論・主張」です。
Reason
次に「理由・根拠」を伝えます。
なぜ話し手がその主張を行うのかがここで説明されます。
ここで「ただなんとなくそう思ったから」では話に説得力が出ません。話の繋がりを考えつつしっかりとした理由をここで伝えましょう。
Example
「具体例」は時間がない場合には省略しても構いません。
その代わりにプレゼンの最後に「以上、何か質問はありますか?」と言った具合に聞き手に問いかけてみてください。そこで出てくる質問に対してしっかりと回答ができれば問題ないです。
Point
そして最後にもう一度Pointの「結論・主張」を繰り返します。
プレゼンお最後に具体的な行動を依頼することの重要性については前述している通りです。
結局なんの話だったのか、何をしてほしいのか、聞き手に再度まとめて伝え、記憶に刻み込むことが重要です。
この記事もPREP法を用いて記述しています。
どの場面でどう使われているのか意識しながら読み進めてもらえると、構造をより明確に読み解くことができるのではないでしょうか。
ぜひプレゼンをする際にはPREP法を用いて骨組みを作成してみてください。
コメント