突然ですが、あなたは旅行が好きですか?
嫌いという人は少ないかもしれませんが、旅行とセットでよく使われる「観光」について考えてみたいと思います。
観光とは
そもそも観光とは何なのでしょうか。
「観光」という言葉は「光を観る」と書きます。
光とは「宝」を指す言葉でもあることから、観光とはその地域の宝を観ること訳せるのではないでしょうか。
では、地域の宝とはどんなものでしょう。
人が観光で各地を赴く動機は、一般的に4つの要素に分けることができるといわれています。
観光の4大要素
この観光には4つの要素があることを提唱しているのは、イギリスの経済学者デービッド・アトキンソン氏です。
人が観光しようとするときには目的があります。
前述したように観光とはその土地の宝を観ること。
日本における観光の始まりはお伊勢参りだという説もありますが、これもまさに伊勢の宝である伊勢神宮へお参りに行くことが目的となっています。
このようにその土地ならではの「宝」を観たいと思い、人は観光しに各地へ足を運ぶのです。
デービッド氏はその「要素」は下記の4つであると唱えています。
- 自然
- 気候
- 文化
- 食事
人が観光へ出かけるときの動機として、この4つの要素のうち最低でも1つの用をを満たしていることが多いのです。
それでは我々の住むこの日本は、観光地として外国からどのように見られているのでしょうか。
観光の4要素の視点から考えてみましょう。
日本の自然
日本人にとって当たり前かもしれませんが、日本は島国です。
つまり海が身近な国です。
また、3,000m級の山脈を有する日本アルプスや、湖や川もたくさんあります。
少し視点を変えてみるとニホンザルという猿は、世界的に見ると最も緯度の高い場所に住む猿であり、雪が降る地域にも生息しています。
このように島国ならではの他の大陸とは隔離され、陸続きで簡単に行き来できない環境において独特の進化を遂げた生物も多くいるのが日本です。
日本の気候
日本には四季があります。
これは我々にとっては当たり前のことですが、世界的に見ると四季の無い国も多々あり、珍しい環境です。
また 北は北海道、南は沖縄と、雪国から南国まで様々な気候を楽しめるのも日本という土地の特徴です。
私はスノーボードをするためにカナダに住んでいたことがあるのですが、実は日本と比べると降雪量は大したことがありませんでした。
というのも、やはり島国独特の湿度の高い空気が大量に流れ込むという、地理的な影響は大きく、さらに3,000m級の山々があることにより大量の降雪があるのです。
日本に降る大量のパウダースノーを楽しむために、日本へスキートリップにやってくる外国人も少なくありません。JAPOWといってJapanese Powder Snowからできた造語もよく飛び交っています。
それだけ日本は他の国々と比較しても、降雪量の多い国であることを、私も外へ出て初めて知ることになりました。
日本の文化
最近ではアニメやマンガなど、オタクという言葉さえも外国人が知っていたりしますが、それだけではありません。
「侍」「忍者」「芸者」などの言葉も海外で聞こえてくる日本語の一部ですが、これらは海外から見ると大変独特の文化なのです。
なぜかというと日本は江戸時代まではほとんど鎖国状態で、国交はほとんどない国でした。
開国してからも、たかだか100年程度しかたっておらず、いうなればガラパゴス状態の国でした。そんな国で成熟した芸能や文化はやはり外国人からすると特異なもの。独特の文化が築き上げられるのも納得です。
さらに、知らない日本人も多いのですが、ギネスに登録されている世界最古の国家は日本なのです。
日本が建国されて2600年以上たっていますが、2位の国であるデンマークで900年程度とダブルスコアどころか、トリプルスコア以上の年数の差があるのです。
日本の食事
日本人は大変グルメな国民です。
東京や大阪を代表するような首都圏へ行けば、B級グルメから星付きレストランまで、世界中のおいしいものが揃っている国はそうそうありません。
また日本食はユネスコ世界文化遺産に登録されるほど、世界的な価値も認められている食文化であり、今や寿司やラーメンは国境を越えて、外国でも人気の食べ物の地位を築いています。
日本人は日本価値に気が付いていない
このように4要素どれをとっても、諸外国に引けを取らない要素が揃っている日本ですが、我々日本人でその価値に気が付いている人はかなり少ないように感じます。
私も海外で生活して初めて日本の魅力に気が付いた日本人の一人です。
東京や大阪、京都のように観光地として出来上がっている都市でなくとも、日本の自然や、文化など独特の地域性を持った地域というのは、地方にこそまだまだ眠っているのが現実です。
日本は敗戦後、高度経済成長を経て、バブルがはじけ現代にいたります。
敗戦によりアイデンティティを奪われ、自分たちの価値を見失ったのが日本人です。
高度経済成長期は$1=¥360円の固定レートであったため、外国からすれば安くで労働力を買うことができたため、工業大国日本は成り立ちました。
しかし、バブルがはじけ$1=¥100程度のレートとなった今、外国から見て人件費は高騰。工業で外貨を獲得するのは難しい時代です。
そんな現代において、日本が経済を回していくために力を入れるべき産業は、観光業ではないでしょうか。
これだけ、積み上げられてきた歴史や文化があり、自然が生んだ気候と折り重なって、勤勉な国民性と安全な国として、観光業で経済が回る日本を目指したいと思っています。
そのためにも地方の観光資源を見つけ、磨き、発信すること。
その土地に住む使徒たちに、自分の住む場所は素晴らしいところなんだという、自信を持ってもらうこと。
地方創生という言葉が最近では一般的になってきていますが、日本経済に私の興味と取り組みが貢献できるように、このブログでも情報を発信していきたいと考えています。
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