厳しさとパワハラ
不用意に厳しく接することがとても危険な時代になりました。
本人のためだと思ってやったことが、パワハラとみなされてもおかしくないからです。
労働局に寄せられる相談の中には「無理な仕事を押し付けられた」というものも紹介されています。
上司は青天の霹靂であったことと想像します。
それに対して、日本能率協会が発表している2018年の新入社員に対する意識調査の中の「理想の上司ランキング」には「叱ってくれる上司」のランキングが4-5-10位と3回連続での急降下となっています。
これに対して、良し悪しということではなく、環境の問題だと考えます。
というのも今の新入社員は「叱られない時代に育って来た」からと考えられます。
昭和の時代は教育の場面で、「先生や先輩から手を挙げられた」なんていうのは普通にありました。
今同じことをすると只事では済まない事態に発展します。
これは育った環境の違いではありますが、時代背景と共に指導のあり方が変わっていく事は必然です。
しかし、このことに気をつけなければいけないのは、過剰反応してはいけないという事です。
「何があっても部下を叱ってはいけない」というわけではありません。
厳しさ→丁寧さ
そこでアプローチを変えてみます。
「厳しく伝える」のではなく「丁寧に伝える」のです。
間違っても説教じみてはいけません。
俗に言う5w1hを具体的に伝えると良いでしょう。
例えば
- なぜ、その業務をお願いするのか
- 具体的な手順
- 指示に対して、どのように思ったか確認
- 不明点や不安なところがないかの確認
- 定期的な確認をスケジューリング
これができれば理想の上司になれるでしょう。
実際に、前述の新入社員の意識調査によると理想の上司の上位は以下のようです
- 部下の意見・要望を傾聴する上司(33.5%)
- 仕事について丁寧な指導をする上司(33.2%)
こう言った結果の裏返しには、これができていない上司が多いのでは無いでしょうか?
前提にあるのは、「自分達には知らないことが多い」なので、「背中を見て覚えろ」ではなく、「厳しく指導する前に、キチンと教えてほしい」と言うのが本音です。
決して「甘やかしてほしい」と言っているわけではないのです。
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