物流の業界は全くの素人です。
社内の人事発令に伴い、僕は本社勤務となり物流の部署への配属となりました。
昨日が物流業界の人になって初めての出勤日でした。
物流業界の話をする前に。
前部署は地方にある子会社へ出向していたため、本社勤務となった最初の感想は「きっちりしているな」という印象です。
正直、前上司のマネージメントに疑問を持っていたこともあり、会社組織として当たり前のことをしてもらうだけで、ちょっと感動してしまうレベルです。
まずは、初めての業界ということもあり、上司からのオリエンテーションを2時間ほど受けました。
物流の世界
物流というのは基本的にどのような事業をされている人にも多かれ少なかれ関わりのある世界です。
特に物売りの仕事には物流が売上げの全てを握っているといっても過言ではありません。
滞ってしまえば売るものが店頭に並ばないし、お客さまにも届きません。
倉庫の稼働効率は売上に直結します。
あまり普段は気にしない部分ではありますが、当たり前にものを動かせているこの状況は「当たり前」ではなく「有難い」状態であることを理解しなくてはいけません。
ECサイトのようなB to Cや、店舗への発送のようなB to Bも発注を受けてから発送までの時間がサービスであり、お客様の満足度に直結します。
また1日に捌ける物量のキャパは売上の最大値を決めるといってもいいでしょう。
日本の物流
日本の物流は世界でもトップクラスだと感じています。
アマゾンや楽天での買い物でも、物によっては翌日には家に届いているという状態も珍しくない状態です。
これは日本の流通網がかなり整備されていることの賜物です。
私はカナダに住んでいる時にAmazonでの買い物やアップル公式サイトからマックを購入したことがあります。
私が住んでいたところが、どちらかというと地方だったということもありますが、マックを買った時なんかは3週間〜1ヶ月も注文してから受け取るまでにかかりました。
日本に住んでいると当たり前になっていることは決してワールドワイドでは当たり前ではないということを知りました。
そりゃあカナダなんてかなり広大な国土がありますが、実際に人が住んでいる街は点在している国です。
物流拠点の数もそんなに作れないんだろうなと、その時に感じました。
何が言いたいかというと、日本の物流はそれだけ整備されているし進んでいます。
便利な国だということです。
物流が日本の経済を支えているというのはあながち間違いではないと思います。
2024年問題について
2024年問題ってご存じでしょうか?
物流業界ではホットな話題らしいのですが、私も今まで聞いたことがなかった言葉です。
簡単に説明すると、ここ数年政府は働き方改革というものを推進させています。
労働時間の見直しなどを中心に労働者の健全な労働環境を整えることは企業の責任であるといって労働基本法を守れない企業に対しては罰則などを与えるなどの取り決めを進めています。
今までは移行期間として物流業界はまだこの働き方改革の対象にはなっていなかったのですが、2024年から物流業界にもこの基準が適用されることが決まっています。
このことにより何が起こるかというと、主にトラック運転手の労働時間が制限され、ものが動かせなくなるのではという懸念があります。
トラック運ちゃんの労働時間は基本的にかなりの残業代で賄われていたという節があるのですが、これが残業時間の上限ができ労働時間が制限されてしまいます。
つまり単純にトラックの稼働時間が減ってしまうということなのですが、それに伴い今まで残業代を収入の充てにしていたトラック運転手の生活がまかなえなくなり、他の業界への転職などを考える人が増え、そもそもの物流人口の流出が起こる起こるのではないかという懸念があるようです。
2024年問題に対して僕たちができること
この問題は主にトラック運転手の問題が大きいので、私の働いているメーカーなどの物流の部署がうんぬんできる問題ではないようです。
ですが、トラック運ちゃんの仕事は何も運転することだけではなく、荷物の積み下ろしも仕事に含まれます。そのためいかに効率的に仕事ができるかという荷物を作る側や受けとる側が「こうやってあげたら荷物の受け渡しがしやすいんじゃないかな?」など相手を気遣った対応をしてあげることで、多少ではあるかもしれませんが、作業の時間短縮につながったりする可能性があります。
受け取る側も不在時の荷物の再配達を繰り返さないなど、「仕事なんだからやれよ」と傲慢になるのではなく、何度も運んできてくれるトラック運転手のことを考えて日時指定をしたなら確実に受け取るなど、相手を思いやる気持ちを持つことが大切なのではないでしょうか。
「2024年問題は思いやりで解決していこう」と昨日初出社した時に先輩社員の方が言っていたのが印象的でした。
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